1イラン戦争終結への期待が高まり、米国市場は5月以来の最大の上昇を記録した。イランのペゼシュキアン大統領がEU議長との電話会談で「戦争終結の必要な意志がある」と表明。さらにトランプ大統領が「2〜3週間で撤退する」と発言したことで、投資家心理が大幅に改善。S&P 500は+2.91%の6,528.52、NASDAQは+3.83%の21,590.63、ダウは+1,125ポイント(+2.49%)の46,341.51で急騰した。
2テクノロジーセクターが上昇を牽引。NVIDIAがMarvell Technologyに20億ドルを出資しAIインフラ同盟を拡大、MRVLは+12.8%と急騰。NVDA +5.6%、META +6.6%、MSFT +3.1%とメガテック全面高。一方、原油は和平期待を受けてWTI $101.38(-1.46%)、Brent $105.13(-1.56%)と反落したが、3月単月ではBrent +63%(1988年以来最大)、WTI +51%の歴史的急騰を記録。
3中国とパキスタンが5カ条和平ロードマップを発表し、即時停戦とホルムズ海峡ホルムズ海峡(Strait of Hormuz)世界の海上石油輸送の約20%が通過するイランとオマーンの間の狭い水路。イラン戦争で事実上封鎖され、原油価格急騰の最大要因となっている。の通航回復を要求。Unilever-McCormickの$650億食品メガ合併が発表されたが市場は懐疑的(UL -5.0%、MKC -5.9%)。Nike Q3決算はEPSビートも中国市場20%減警告で時間外下落。バフェットは「Apple売るの早すぎた」と認め、市場が安くなれば再購入する意向を示した。
イラン戦争終結の光明 — ペゼシュキアン大統領「必要な意志あり」、トランプ「2〜3週間で撤退」
イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は3月31日、EU議長との電話会談で「この紛争を終結させる必要な意志を持っている」と表明した。ただし「侵略の繰り返しを防ぐ保証」を条件に挙げており、無条件降伏は引き続き拒否している。一方、トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し「2週間、おそらく3週間で撤退する」と述べ、米国の軍事目標は概ね達成されたとの認識を示した。同時に「我々は完全にアンチェックド。全てを爆撃した」とも発言し、同盟国に対しては「自分で石油を取りに行け」と苛立ちを露わにした。イラン戦争開始(2月28日)から5週間が経過し、トランプの撤退シグナルとペゼシュキアンの対話姿勢が重なったことで、市場は大幅反発。S&P 500は+2.91%、ダウは1,125ポイント急騰し、5月以来の最大の上昇日となった。しかし、トランプは同時に「取引が成立しなければイランの電力施設と油井を完全に破壊する」とも警告しており、停戦への道のりは依然として不透明だ。
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「2〜3週間」の真意 — トランプの撤退シグナルとペゼシュキアンの条件を読み解く
3月31日、イラン戦争をめぐる2つの重要な発言が市場を動かした。しかし、楽観は禁物だ。両者の発言を仔細に分析すると、停戦への道のりは表面上の印象よりも複雑であることが見えてくる。
トランプの撤退シグナル: 「2〜3週間で撤退する」――この発言の背景には、戦争開始から5週間を経た国内世論の変化がある。米ガソリン価格が$4を突破し、中間選挙を見据えた共和党内からも懸念の声が上がり始めている。NPRは「トランプのイラン戦争に関する混合メッセージは共和党に結果をもたらす可能性がある」と報じた。同時に「取引が成立しなければイランの電力施設と油井を完全に破壊する」という脅しも続けており、撤退とエスカレーションの両カードを同時に切る交渉戦術と読むべきだろう。
ペゼシュキアンの条件: 「必要な意志を持っている」とEU議長に伝えたペゼシュキアン大統領だが、3つの条件を付している。(1) イランの正当な権利の承認、(2) 賠償金の支払い、(3) 将来の侵略を防ぐ国際的保証。特に (2) の賠償要求は米国が受け入れる可能性が極めて低く、交渉の最大障壁となる。さらに、PJ Mediaは「ペゼシュキアンはIRGC(革命防衛隊)に事実上『人質』にされており、トランプとの直接交渉を阻まれている」と報じている。大統領の「意志」と体制の「意志」が一致しているかは不透明だ。
3つのシナリオ:
シナリオA(楽観): 4月中旬までに停戦合意。ホルムズ海峡再開、原油$80台に急落。確率: 20%
シナリオB(基本): 部分的停戦(攻撃の一時停止)だが、ホルムズ海峡は段階的に再開。原油$90前後に低下。確率: 50%
シナリオC(悲観): 交渉決裂、トランプがインフラ攻撃を実行。原油$130超、VIX 40台。確率: 30%
市場は現在シナリオAとBの間を織り込んでいるが、シナリオCのテールリスクを過小評価している可能性がある。4月6日に設定されたハルグ島(イランの主要石油輸出拠点)に関する期限も注視すべきポイントだ。