朝刊アーカイブ 号外 用語辞典 決算分析
2026年3月25日(水曜日)
朝刊

ソフトウェア株急落 — Amazon AIエージェント報道でSalesforce・ServiceNow-5% Bloomberg報道によると、AWSがサイバーセキュリティやサーバーネットワーキング等の技術専門職の業務を自動化するAIエージェントAIエージェント人間の指示を受けて自律的にタスクを実行するAIシステム。従来のチャットボットと異なり、複数のツールを組み合わせて複雑な業務を遂行できる。SaaS市場の価格体系を根本から変える可能性がある。を開発中。これを受けSalesforceServiceNowがそれぞれ-5%と急落、ソフトウェアセクター全体に売りが波及。S&P 500-0.37%の6,556、NASDAQ-0.84%の21,762で引けた。

プライベートクレジット危機 — Ares・Apolloが解約制限、$1.8兆市場に動揺 プライベートクレジットプライベートクレジット銀行融資に代わる非公開の企業向け融資。2016年の$500Bから2026年は$1.8Tに成長。年金・保険・個人富裕層が主要投資家で、高利回り(8-12%)が魅力だが流動性が極めて低い。最大手のAres Managementが$10.7BのStrategic Income Fundでゲーティングゲーティング(Gating)ファンドが投資家の解約要求に上限を設ける措置。流動性が低い資産を保有するファンドが、大量解約による資産のファイアセールを防ぐために発動する。(解約制限)を実施。顧客が11.6%の解約を要求したのに対し5%に制限。Apolloも同様の措置。$1.8兆市場からの資金流出懸念が浮上し、Bank of Americaは「GFCGFC(Global Financial Crisis)2007-2008年の世界金融危機。サブプライムローンの崩壊がCDO市場を通じて金融システム全体に波及し、リーマン・ブラザーズの破綻に至った。の再来ではない」と火消しに回った。

原油再び$100超・金は弱気相場深化 原油はBrentBrent原油北海で産出される原油の国際指標価格。WTI原油とともに世界のエネルギー価格の基準。中東産原油はBrentに連動しやすい。が$103.6(+3.6%)に反発。前日の停戦期待による急落の巻き戻し。イラン外務省は「米国からの提案を仲介者経由で受け取り検討中」と発言したが、具体的進展なし。金は$4,336(-1.5%)と弱気相場が深化、1月のピーク$5,595から-21%。一方BTCは$71,043(+4%)とリスクオン資産として反発。

S&P 500 6,556 -0.37%
NASDAQ 21,762 -0.84%
ダウ 46,124 -0.18%
VIX 26.15 横ばい
米10年債 4.37% +2bp
USD/JPY 158.66 +0.24%
WTI原油 $92.40 +4.9%
Gold $4,336 -1.5%
BTC $71,043 +4.0%
TOP STORY
ブロックチェーンネットワーク
Photo: Pexels

NYSEがブロックチェーン株式取引プラットフォームを発表 — Securitizeと提携、24時間365日のトークン化証券取引へ

ニューヨーク証券取引所(NYSE)を運営するIntercontinental Exchange(ICE)ICE(Intercontinental Exchange)NYSE(ニューヨーク証券取引所)の親会社。世界最大の取引所グループの一つで、株式・債券・デリバティブ・データサービスを提供。が、BlackRock出資のSecuritizeと提携し、ブロックチェーンベースのトークン化証券トークン化証券(Tokenized Securities)従来の株式・債券をブロックチェーン上のデジタルトークンとして発行・取引する仕組み。スマートコントラクトにより配当支払い・議決権行使を自動化できる。取引プラットフォームを構築すると発表。Wall Street Journalが3月24日に報じた。24時間365日の取引、即時決済、ドル単位の注文サイズ、ステーブルコインステーブルコイン米ドル等の法定通貨に価値を連動させた暗号資産。USDT(テザー)やUSDC(サークル)が代表的。即時決済・24時間送金が可能で、暗号資産市場の基軸通貨として機能。による資金決済が可能になる。

従来のクリアリングハウスをバイパスする設計で、議決権・配当権も完全に保持される点が、暗号資産プラットフォームの既存トークン化商品との決定的な違い。SEC・FINRAの承認が必要で、実現時期は2026年後半を目標。Nasdaqも既にトークン化プランの規制承認を取得しており、ウォール街のブロックチェーン化が本格的に加速している。

世界最大の証券取引所がブロックチェーンを採用する歴史的転換点。24/7取引・即時決済が実現すれば、T+1決済の現行制度が根本から変わる。フィンテック・暗号資産関連銘柄への追い風。
AIロボット Photo: Pexels
テクノロジー Bloomberg / 24/7 Wall St.

Amazon AIエージェント報道でソフトウェア株急落 — Salesforce・ServiceNow-5%

AWSがサイバーセキュリティやネットワーキング等の技術専門職業務を自動化するAIエージェントを開発中とBloombergが報道。従来のSaaSSaaS(Software as a Service)クラウド経由でソフトウェアを提供するビジネスモデル。月額/年額のサブスクリプション課金が主流。Salesforce、ServiceNow等が代表的企業。ライセンスモデルがAIエージェントに置き換えられるリスクが意識され、Salesforceが-5%、ServiceNowが-5%と急落。

AIエージェントがSaaSの価格体系を根本から変える可能性。エンタープライズソフトウェアの「シート単位課金」モデルが「成果単位課金」へ移行する構造変化の兆し。
金融グラフ Photo: Pexels
マーケット Bloomberg / Seeking Alpha

プライベートクレジット危機 — Ares・Apollo解約制限で$1.8兆市場に不安

Ares ManagementとApollo Global Managementがプライベートクレジットファンドの解約制限を実施。Aresの$10.7Bファンドでは顧客の解約要求11.6%に対し上限5%に制限。$1.8兆市場からの資金流出が加速する懸念が浮上。BofAは「GFCの再来ではない」と防衛線を張ったが、市場には不安が残る。

プライベートクレジットは近年急成長した資産クラスで、年金基金・保険会社が大量に投資。流動性危機が波及すれば金融システム全体のリスクに。
石油精製施設 Photo: Pexels
地政学 CBS News / CNBC / CNN

イラン情勢 — 仲介者経由で米国の提案を検討中、原油Brent$103に反発

イラン外務省高官がCBS Newsに対し「米国からの提案を仲介者経由で受領し検討中」と独占発言。一方でイラン側は直接交渉を否定。ペンタゴンは第82空挺師団の中東派遣を準備中と報道。Brent原油は$103.6(+3.6%)に反発し、前日の停戦期待ラリーの巻き戻しが進行。

5日間攻撃停止の期限(3/28頃)が今週金曜に迫る。進展なければ原油再急騰のリスク。ホルムズ海峡は世界のseaborne石油供給の20%が通過する要衝。
金のインゴット Photo: Pexels
マーケット CNBC / TheStreet / Fortune

金が弱気相場入り — 1月高値から21%下落、1983年以来最大の週間下落

金価格は$4,336に下落し、1月のピーク$5,595から-21%と正式にベアマーケットベアマーケット(弱気相場)直近高値から20%以上下落した状態を指す。金のベアマーケットは異例で、通常は地政学リスク時にセーフヘイブンとして買われるが、高金利環境下ではドル建て資産としての魅力が低下する。入り。先週は-10%と1983年以来の最悪の週間パフォーマンスを記録。高金利環境下でのデレバレッジ売りが要因。ただしGlobal X ETFsは「年末$6,000」を維持。

戦争中にもかかわらず金が急落する異例の展開。ドル高・高金利がセーフヘイブンの魅力を削いでいる。テクニカルサポートは$4,100付近。
エナジードリンク Photo: Pexels
決算 Investing.com / Benzinga / Motley Fool

Celsius-10%急落 — Costcoがカークランド・エナジードリンク発売で直接競合

Costcoが自社ブランド「Kirkland Signature」のスパークリングエナジードリンクを発売。Celsiusと類似の製品プロファイルで、24本$37.99(1本$1.58)とCelsiusの約半額。Celsius株は-10%と急落。CostcoはCelsiusの重要な販売チャネルでもあり、チャネルコンフリクトチャネルコンフリクト販売チャネル(小売店)が自社ブランドで競合製品を発売し、メーカーとの利害が衝突する現象。CostcoのKirkland戦略は他カテゴリーでも多数の事例がある。のリスクも。

エナジードリンク市場の価格競争激化。PB商品の台頭はブランド企業全体のマージン圧縮リスクを示唆。
トークン化証券
Tokenized Securities — 従来の株式・債券をブロックチェーン上のデジタルトークンとして発行・取引する仕組み

従来の金融資産(株式、債券、不動産等)をブロックチェーン上のデジタルトークンとして表現し、分散型台帳で所有権を管理する仕組みです。スマートコントラクトにより、配当支払い・議決権行使・コンプライアンスチェックを自動化できます。

  • 📜 歴史的文脈 2017年にセキュリティトークンオファリング(STO)が注目されるも規制の壁で頓挫。2023年にBlackRockがBUIDLファンド(トークン化米国債)を立ち上げ機関投資家の参入が本格化。2024年にNasdaqが規制承認を申請、そして2026年3月にNYSEがSecuritizeと提携し世界最大の証券取引所として正式参入。
  • ⚙️ 市場メカニズム 従来のT+1決済がリアルタイム決済に。24時間365日取引が可能になり、ドル未満の端株取引やステーブルコイン決済にも対応。カウンターパーティリスクの大幅低減が期待される。ただしSEC・FINRAの規制承認が必須で、既存の清算機関(DTCC等)との整合性が課題。
  • 💼 投資への影響 フィンテック(Securitize、Coinbase)、ブロックチェーンインフラ(Ethereum、Solana)、取引所(ICE、CME)に恩恵。一方、従来型の清算・決済ビジネス(DTCC、Broadridge)にはディスラプションリスク。
  • 🔍 注目ポイント NYSEの参入は「トークン化証券が実験段階から本番環境へ移行した」ことを意味する歴史的な一歩。Nasdaqに続き世界最大の取引所が本格参入したことで、2026年後半のSEC承認動向がフィンテック・暗号資産セクターの最大のカタリストに。
NYSEの参入は「トークン化証券が実験段階から本番環境へ移行した」ことを意味する歴史的な一歩。Nasdaqに続き世界最大の取引所が本格参入したことで、2026年後半のSEC承認動向がフィンテック・暗号資産セクターの最大のカタリストになる。
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🔍 DEEP DIVE
プライベートクレジットの「ゲーティング」ショック
— $1.8兆市場は次のリーマンか
Ares・Apolloが解約制限を発動。年金基金・保険会社が大量投資する巨大市場に、2008年以来の流動性リスクが忍び寄っている。
🏦 プライベートクレジットとは

プライベートクレジットとは、銀行融資に代わる非公開の企業向け融資です。2016年の$500Bから2026年は$1.8T(約270兆円)に成長しました。年金基金・保険会社・個人富裕層が主要投資家で、高利回り(8-12%)が魅力ですが、流動性が極めて低いという構造的な弱点を抱えています。

公開市場の債券と異なり、プライベートクレジットは取引所で売買できません。投資家が資金を引き出したい場合、ファンドの定めた解約ルールに従う必要があります。市場が安定している時には問題になりませんが、不安が広がると「出口に殺到する」現象が起こりやすい構造です。

⚠️ なぜゲーティングが起きたか
⚔️
イラン戦争による市場混乱
地政学リスクの急上昇で投資家がリスク回避に動き、流動性の低い資産から資金引き揚げが加速
🛢️
原油高→企業コスト増
原油$100超がコスト増を通じて企業のデフォルト率上昇懸念を惹起
📈
高金利長期化
変動金利の借り手にとって返済負担が増大。借り換え困難な企業が増加
🚪
Aresの解約制限発動
$10.7Bファンドで11.6%の解約要求に対し上限5%を適用。Apolloも同様の措置
🔭 編集部の見立て — 3つのシナリオ
01
限定的ストレス
可能性: 高
ゲーティングは一時的な流動性管理。数ヶ月で正常化。原油下落・停戦進展が条件。
市場影響: 限定的。ハイイールド債スプレッドは小幅拡大にとどまる
02
信用収縮
可能性: 中
デフォルト率上昇で複数ファンドがゲーティング。中小企業の資金調達が困難に。
市場影響: 高利回り債スプレッド拡大、金融株下落、VIX 30超
03
システミック危機
可能性: 低
連鎖的な解約→ファイアセール→NAV急落。2008年のCDO危機の再来。
市場影響: VIX 40超、FRBの緊急介入、信用市場全体が凍結
🔭 結論: 2008年とは異なるが無視はできない
プライベートクレジットの大半は変動金利であり、高金利環境下ではデフォルトリスクが構造的に上昇します。2008年のCDO危機とは異なり、銀行のバランスシートへの直接的な影響は限定的ですが、年金基金・保険会社が大量に投資している点が新たなリスク経路です。

投資家はハイイールド債ETF(HYG・JNK)のスプレッド動向VIXの30突破を警戒シグナルとして監視すべきです。
※ 本コーナーは公開情報に基づく編集部の考察であり、投資助言ではありません。プライベートクレジット市場のデータは推定値を含みます。
3/25(水)★本日
23:00 🇺🇸 消費者信頼感指数(Conference Board・3月) 最重要 前回 84.5 | 原油高・イラン戦争・関税の心理影響
23:00 🇺🇸 新築住宅販売件数(2月) 注目 住宅市場の需要動向
3/26(木)
21:30 🇺🇸 耐久財受注(2月) 最重要 製造業・設備投資の先行指標
21:30 🇺🇸 新規失業保険申請件数 注目 労働市場の週次モニター
3/27(金)
21:30 🇺🇸 GDP確報値(Q4 2025) 注目 速報値 +0.7% からの修正確認
21:30 🇺🇸 ミシガン大消費者信頼感確報値(3月) 注目 速報値からの修正
3/28(土)日本時間 ★最重要
21:30 🇺🇸 PCEPCE(個人消費支出物価指数)FRBが最も重視するインフレ指標。CPIより範囲が広く、消費者の実際の支出パターンを反映。コアPCEが2%に近づくことが利下げの条件。デフレーター / コアPCE(2月) 最重要 前回 PCE +2.6% / コア +2.8% | FRB最重視インフレ指標
21:30 🇺🇸 個人所得・個人支出(2月) 注目 消費の強さ確認
通週
随時 🇺🇸 S&P Global CERAWeek(エネルギー業界最大級会議) 最重要 イラン問題・AIデータセンターのエネルギー需要が主要議題
随時 🇺🇸 イラン攻撃停止期限(5日間 → 3/28頃) 最重要 停戦交渉の進展次第で原油・株式に大きく影響
昨日(3/24)の決算結果
GME 3/24
GameStop
ゲーム小売
EPS: $0.49 vs 予$0.37 売上: $1.10B vs 予$1.47B
EPSビート / 売上ミス
KBH 3/24
KB Home
住宅建設
EPS: $0.52(-65% YoY) 売上: $1.08B(-23% YoY)
両方ミス、ガイダンス下方修正
本日 3/25(水)の決算
PDD 寄り前
PDD Holdings(Temu親会社)
Eコマース
EPS予: $3.21 売上予: $17.93B
CTAS 寄り前
Cintas
ビジネスサービス
EPS予: $1.23
PAYX 寄り前
Paychex
HR / 給与計算
EPS予: $1.67
CHWY 引け後
Chewy
ペット用品EC
EPS予: $0.28 売上予: $3.26B
今週の注目決算
CCL 3/27
Carnival ★注目
クルーズ
EPS予: $0.18 売上予: $6.14B
DLTR 3/26
Dollar Tree
ディスカウントストア
業績低迷見込み
LULU 3/26 引け後
Lululemon
アスレジャー
注目決算
NKE 3/31 引け後
Nike
スポーツ用品
EPS予: $0.37 売上予: $12.2B