イラン紛争4週目突入・原油$98超 — 3指数4週連続安、Russell 2000は調整局面入り 3月20日(金)の米国市場は大幅続落。米国・イスラエルのイラン軍事作戦が4週目に突入し、ホルムズ海峡ホルムズ海峡ペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ海峡。世界の原油輸送量の約20%がここを通過しており、封鎖されるとエネルギー供給に甚大な影響。の閉鎖が継続する中、WTI原油は$98.32(+2.27%)まで上昇。イラク全外国企業運営油田でフォースマジュールフォースマジュール(不可抗力条項)戦争・自然災害など、予測不能な事象で契約履行が困難な場合に発動される免責条項。原油供給が物理的に不可能になったことを意味します。が宣言され、クウェートの製油所2か所もドローン攻撃を受けました。
4週連続安 — S&P 500は6,506、VIXは26.78に急騰 S&P 500は-1.51%の6,506、NASDAQは-2.01%の21,648、ダウは-443pt(-0.96%)の45,577。ダウは4週連続安で2023年以来初。小型株のRussell 2000Russell 2000米国の小型株約2,000銘柄で構成される株価指数。直近高値から10%下落すると「調整局面」入りとされ、景気後退の先行指標として注目されます。は直近高値から10%下落し調整局面入り。VIXVIX(恐怖指数)S&P 500オプションから算出される予想変動率。20以下=安定、30超=高ストレス。26.78は警戒水準で、投資家の不安心理が大幅に拡大していることを示します。は26.78(+11.3%)に急騰。
FOMC後の利下げ期待後退 — 年内利下げは1回のみ 3月18日のFOMCFOMC(連邦公開市場委員会)FRB(米連邦準備制度理事会)が年8回開催する金融政策を決定する会合。政策金利の変更やドットプロットの公表を行います。で政策金利3.50〜3.75%に据え置き。ドットプロットドットプロットFOMCメンバー各人の政策金利予想を点で示したチャート。市場は将来の利下げ・利上げ回数の手がかりとして注視します。は年内利下げ1回のみ示唆。原油高によるインフレ再燃懸念が利下げ期待を後退させ、米10年債利回りは4.39%(+13bp)に上昇。ドル円は159.22円とドル高進行。
トランプ大統領「イラン戦争の縮小を検討」 — しかし停戦は否定、地上軍投入にも含み
トランプ大統領は3月20日、イランでの軍事作戦について「縮小を検討している」と発言した。しかし同日、停戦は否定し地上軍の投入にも含みを残すなど矛盾するシグナルを送り続けている。イスラエルは週末もテヘランへの空爆を継続。Brent原油Brent原油北海で産出される原油の国際指標価格。WTI原油とともに世界のエネルギー価格の基準。中東産原油はBrentに連動しやすい。は一時$112台まで上昇後、「縮小」発言で$108台まで下落。開戦以来約45%の上昇を維持。 トランプ政権は海上のイラン原油約1.4億バレル分の制裁を一時解除(4月19日まで)し、供給逼迫の緩和を図った。一方、CBSは米国防総省がイランへの地上軍派遣地上軍派遣空爆中心の作戦から地上部隊の投入へ拡大すること。戦争の長期化・コスト増大を意味し、市場では最悪シナリオとして警戒されている。の詳細準備を行っていると報道。
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米国株3指数4週連続安 — ラッセル2000は調整局面入り、3月だけで6%下落
S&P 500 -1.51%、NASDAQ -2.01%、ダウ -0.96%。ダウの4週連続安は2023年以来初。3月だけで約6%下落し2022年以来最大の月間下落ペース。小型株Russell 2000は直近高値から10%下落し正式に調整局面入り。中東リスク・原油高・利下げ期待後退のトリプルパンチが重荷。
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NVIDIA GTC 2026 — 「Vera Rubin」発表、2027年末までの受注1兆ドル見込み
NVIDIAはGTCGTC(GPU Technology Conference)NVIDIAの年次技術カンファレンス。新製品発表やAI技術の最新動向が共有され、半導体業界の方向性を示す重要イベント。 2026で次世代AIプラットフォーム「Vera Rubin」を発表。Grace Blackwell後継でワット当たり性能10倍。2028年向け「Feynman」アーキテクチャも公開。TSMC 1.6nmノード・GPU初の3Dダイスタッキング採用。受注パイプラインは2027年末までに1兆ドル規模。
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FRB金利据え置き3.50-3.75% — ドットプロット「年内利下げ1回」、インフレ見通し上方修正
3月18日のFOMCで政策金利を据え置き(11対1)。SEPSEP(Summary of Economic Projections)FOMCメンバーが四半期ごとに発表する経済見通し。GDP成長率、失業率、インフレ率の予想が含まれ、金融政策の方向性を読む手がかり。ではGDP 2.4%、PCEPCE(個人消費支出物価指数)FRBが最も重視するインフレ指標。CPIより範囲が広く、消費者の実際の支出パターンを反映。コアPCEが2%に近づくことが利下げの条件。インフレ率2.7%に上方修正。CME FedWatchでは市場は年内利下げゼロを織り込み。
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半導体産業、2026年に史上初の1兆ドル突破へ — AI・HBMメモリが成長エンジン
業界調査によると、世界の半導体生産額が2026年に初めて1兆ドルを突破する見通し。AI関連チップの爆発的需要とHBMHBM(High Bandwidth Memory)高帯域幅メモリ。DRAMを縦に積層し、AIアクセラレーターに直結する超高速メモリ技術。SK Hynix、サムスン、マイクロンの3社が供給。の供給逼迫が主因。2035年には2兆ドル予測も。AMDはソウル市と数十億ドル規模のAIパートナーシップを締結。
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Section 301調査を日本含む16カ国に拡大 — IEEPA違憲判決後の新関税戦略
最高裁IEEPAIEEPA(国際緊急経済権限法)大統領に国家緊急事態時の広範な経済制裁権限を付与する法律。トランプ政権が関税の根拠として使用したが、2026年2月に最高裁が6対3で違憲判決。関税違憲判決(6対3)を受け、トランプ政権はSection 301Section 301(通商法301条)1974年通商法に基づく条項。外国政府の不公正な通商慣行に対し、USTRが調査を行い関税等の対抗措置を講じる権限。WTO手続きを経ずに一方的に発動可能。に基づく調査を中国・EU・日本・韓国等16カ国に開始。7月にも新関税発動へ。一方、違憲IEEPA関税は最大$1,750億の還付見込み。
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日経平均は3/19に3.38%急落 — 37,372で引け、週明け東京市場は大幅安スタートか
3月20日(金)は春分の日で東京市場休場。前営業日3月19日に日経平均は-3.38%の37,372、TOPIXTOPIX東証プライム全銘柄の時価総額加重型株価指数。日経平均よりも市場全体の動きを正確に反映するとされる。も-2.91%の2,609と大幅安。休場中の米国株続落(S&P -1.51%)を受け、週明け3/23は大幅安スタートの見込み。
経済成長が停滞(Stagnation)しているにもかかわらず、物価が上昇(Inflation)し続ける状態を指す、投資家にとって最も厄介な経済環境です。通常、景気が悪化すれば物価は下がりますが、スタグフレーションではこの常識が通用しません。中央銀行は「金利を上げればインフレを抑えられるが景気をさらに悪化させる」「金利を下げれば景気を支えられるがインフレを加速させる」という二律背反に陥ります。
- 🔍 何が起きる? 企業はコスト増(原油・原材料高)で利益率が圧縮される一方、景気後退で売上も伸びない。消費者は物価高で実質購買力が低下。株式・債券ともにパフォーマンスが悪化し、従来の分散投資が機能しにくくなります。
- 📜 歴史的な前例 1970年代のオイルショック時が代表例。OPEC石油禁輸で原油価格が4倍に急騰し、米国のインフレ率は14%に達する一方、失業率は9%超に。S&P 500はインフレ調整後で約50%の実質損失を記録しました。
- 🏦 中央銀行の苦悩 FRBのポール・ボルカー議長は1980年にFF金利を20%まで引き上げ、深刻な景気後退を引き起こす代償でインフレを退治。現在のパウエル議長も原油高によるインフレ再燃の中、利下げできないジレンマに直面しています。
- 💼 投資への影響 コモディティ(原油・金)・エネルギー株・インフラ関連がアウトパフォームしやすい。一方、PERの高いグロース株・長期債は最も打撃を受けるアセットクラス。現金比率を高め、実物資産への分散が教科書的な対応策です。